友のために起つ!時の流れを心で味わい、人を想う優しさ・・・2008年11月1日 名字の言
2008年 11月 01日
江戸中期の文人・本居宣長は『真暦考』と題する書物において、季節と結びついた「心の記憶」の豊かさを語っている。親しい人の忌日についても、何月何日という覚え方より、例えば「此樹の黄葉のちりそめし日」を迎えて故人を偲ぶ……。確かに、そこには季節と人間との、みずみずしい交感がある
天文観察により、人類は「暦」を発明した。努力と英知の結晶といってよい。が、それに頼るあまり、時の流れを心で味わい、人を想う優しさを、現代人は失っていないだろうか
「人事(=人間に関する事柄)」を離れて「自然」なし。「時代」についても同じである。仏法は、正しい教えが力を失い、争いと混乱の渦巻く時代を「末法」と名付けた
「末法」とは、単に客観的な歴史認識に基づく時代の一区分ではないだろう。その背後には、世の激浪にさらされる友への思いが、強く脈打っているはずだ。ゆえに苦境の友を助けたいと願い戦う者にとって、時代は常に「末法」なのだ
友のために起つ!――これぞ創価の使命であり、誉れである。(英)
2008年11月1日 名字の言 聖教新聞
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