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未来のために、語り継ぐ勇気と、受け継ぐ決意・・・2010年1月27日 名字の言   

2010年 01月 27日

 ヒトラーとは誰か? 子どもたちが答えた。「重力の発見者」13・5%、「ドイツのサッカー代表監督」7%――昨年、英国の9~15歳を対象に、20世紀の二つの大戦について聞いた調査の結果である(AFP、多項選択式)。77%は「ナチスの党首」と正解したが、風化が進んでいるのは明白だ

 では、初めて核兵器を使用した国は? なんと「日本」と回答したのは31%。常識といえる史実でさえ、このありさま。まして、語られない事実は永久に忘れられかねない

 『ヒトラーの特攻隊』(三浦耕喜著、作品社)には、ドイツにも、日本のカミカゼ特攻隊に酷似した攻撃があったと明かされている。「こんなばかげたことを!」と叫びながら出撃し、奇跡的に生き残った元隊員。体の傷、心の傷も癒え、娘に自身の体験を語れたのは、ようやくベルリンの壁崩壊(1989年)のころという

 統一ドイツのヴァイツゼッカー初代大統領は訴えた。「過去と向かい合うことがどんなに困難か、だがぜひとも必要であり、結局は未来のために役立つ」(永井清彦訳)

 語り継ぐ勇気と、受け継ぐ決意。老いも若きも、命に刻印すべきは、戦争の悲惨さ、残酷さである。世界大戦や核爆弾を前世紀の遺物とするために。(杏)

2010年1月27日 名字の言 聖教新聞

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