人気ブログランキング | 話題のタグを見る

孤独であるかぎり、彼は善人でも悪人でもない・・・2007年6月4日 名字の言   

2007年 06月 04日

 セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』と言えば、騎士道物語を読みあさったドン・キホーテが、遍歴の騎士として旅する物語だ。行く先々で起こす破天荒な出来事の多くは、世の不正を正し、虐げられた人々を助けようとする主人公が、出会った人々に“声をかける”ところから始まる

 次元は異なるが、釈尊も「自ら話しかける人」であった。「友よ!」――この呼びかけに、皆、同じ人間であり、幸福を求めて生きる同志であるとの仏法の魂が込められている。当時の階級社会にあっては画期的な一言で始まった語らいは、平等で公正な社会へと歴史を動かした

 哲学者ボルテールは「孤独であるかぎり、彼は善人でも悪人でもない。つまり、彼はわれわれにとって無なのである」(高橋安光訳)と。自分から話しかけなければ、善をなすどころか、生の証しを示すこともできない

 仏法は「善き友」を持つことを第一義とする。「善き友」を、人生の深い智慧へと向かわせる「門」「船」「橋」「道」等に譬える(華厳経)。すなわち、障害を越えて行く手を無限に開く存在だ

 友との出会いは、無限に仏縁を広げ、無限に境涯を広げるチャンスである。きょうも、さっそうと対話の旅へ打って出たい。(高)

2007年6月4日 名字の言 聖教新聞

創価学会専門仏壇仏具 SOKA 大唱堂 SGI
Copyright (C) 2007 Taisyodo All Rights Reserved