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「会釈を交わし合う街」鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり・・・2008年7月25日 名字の言   

2008年 07月 25日

 見知らぬ人がすれ違うとき、会釈を交わし合う街がある――それは東京。といっても江戸時代の話だ

 当時、江戸は人口100万人とも。他人と触れ合わずには過ごせない。「髪形や服装などから身分がひと目でわかる時代だったので、身分の差異を乗り越えて円滑なコミュニケーションを築くための知恵だったのかもしれない」(中江香著『お江戸のニコニコ人情暮らし』中経出版)。人は誰でも、あいさつされればうれしくなるし、喜ばれれば、こちらもうれしくなる

 良い人間関係を築く上でヒントになる「ミラー効果」仮説を中村克洋・広島経済大学教授が紹介していた(1日付「文化」欄)。「人と人とのコミュニケーションにおいて、人はあたかも鏡を見ているかのように『相手の顔の表情』に影響(共感)を受ける」。「相手と同じ表情をしてみる」ことで初めて「相手の表情の意味を理解する」と考えられるそうだ

 仏法では、不軽菩薩が人々を礼拝すれば、たとえ相手が望まなくても、その人の仏性が必ず礼拝し返すことを、「鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり」(御書769ページ)と

 地域社会の円滑な関係も、あいさつから。その第一歩を江戸の粋な庶民にならって、始めたい。(香)

2008年7月25日 名字の言 聖教新聞

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