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「人の幸福のためか、否か」使い方次第で正にも負にも働く・・・2009年5月22日 名字の言   

2009年 05月 22日

 最近、小学生の間で国語辞書がブームになっているという。電子辞書の普及などで下火になっていたが、手でページをめくったり、付箋を張ったりもできる。そんな紙製ならではの特長が魅力のようだ

 辞書に限らず、紙は多様な可能性を発揮する。例えば、正倉院に残る和紙は戸籍簿として1300年もの間、記録を保ってきた。かたや、水に溶けて形を残さない性質が重宝されている用紙もある。ほかにも、物を包んで贈り物に彩りを添えるなど多彩だ

 1952年に『日蓮大聖人御書全集』が発刊された。インディア・ペーパーという特殊な薄紙が使われた。丈夫で裏写りしない、不透明性に優れていた。苦労の末に準備された用紙で制作された御書は、大聖人の精神を誤りなく伝え、学会の聖典になっている

 一方で、歓迎されない紙もある。戦時中、「赤紙」と呼ばれた召集令状は、戦地に人を送った。現代では、「人権を蹂躙する雑誌」という姿で反社会的な行動をすることも。紙は、使い方次第で正にも負にも働くのである

 良い紙か、悪い紙か――基準は「人の幸福のためか、否か」であろう。本社は、どこまでも人間のための活字を届けたい。それでこそ、優れた出版文化の担い手になれると信じて。(申)

2009年5月22日 名字の言 聖教新聞

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