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宗教嫌いの神秘好き・・・ 2006年11月23日 名字の言   

2006年 11月 23日

上方落語の大看板、故・橘ノ圓都師。90歳で亡くなる直前まで、かくしゃくと高座を務めた。1965年11月の貴重な録音を聴いた。演目は「丙午」▼「丙午」といえば、江戸時代あたりから「この年に生まれた女性は気性が荒い」などという、差別的な迷信が生まれた。もちろん、根拠はない▼落語「丙午」では、登場人物が「そんなことは迷信です。あるべきこっちゃない(ことではない)」と、はっきり「丙午の迷信」を否定する▼実は、翌66年が丙午だった。圓都師は「丙午生まれ」の女性が、差別され肩身の狭い思いをしないよう、この落語を選んだ。冒頭「この開けた世の中に、迷信ということが、どうもいまだに、止まらんようであります」と語り出す▼日本社会の特質は「宗教嫌いの神秘好き」とも。「宗教なんて迷信さ」と言いながら、年や月・日の吉凶を気にする人も多い。釈尊は「結婚の日取りの占いはしてはならない。いい日にするから幸福な結婚ではなく、有徳の人とするなら幸福な結婚となる」(ディーガ・ニカーヤ、趣意)と述べている▼「仏法と申すは道理なり」(御書1169ページ)。迷信、差別、偏見――その根拠のなさを、賢明な眼で見抜き、真の「開けた世の中」にしたい。(哉)

2006年11月23日 名字の言

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