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「大丈夫、大丈夫」相手を思って発せられた言葉の美しさ・・・2007年12月4日 名字の言   

2007年 12月 04日

 美しい言葉とは――詩人の高田敏子氏は、それは“実用性”にではなく“必要性”にあると語る(『詩の世界』ポプラ社)

 例えば道を尋ねる時、私たちは「すみませんが」という言葉を添える。実用からいうと、この言葉はなくてもよくて、「駅はどっちですか?」と言えば、用は足りる。が、それではあまりにぶっきらぼう。「すみませんが」と言い添えることで、心の温かみが伝わる。「こうしたやさしさがあって、ことばも、動作も美しくなります」と

 「すみませんが」――簡単でも心を伝える“必要な言葉”を、いつも携えていたい。それは、相手を思う心の感度を、どれだけ磨くかにかかっているのだろう。そうして磨かれた心の輝きが、言葉の美しさとして表れる

 ある婦人が昔、悩んだ末に、指導を求めて先輩を訪ねた。先輩はじっと話を聞き、「大丈夫、大丈夫」と言って、こまやかに激励してくれた。その後、生き生きと信心に励むその婦人の心には、今でも「大丈夫、大丈夫」との言葉が温かく残っているという

 相手を思って発せられた「大丈夫、大丈夫」は、そのまま「大丈夫であってほしい」という「祈り」だったのであろう。本当に美しい言葉は、確信に満ちた「祈り」の言葉でもある。(申)

2007年12月4日 名字の言 聖教新聞

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